こんばんは、かんめもです。
焼き芋がおいしい季節になりましたね。一年中スーパーで売っているさつま芋ですが、旬は9~11月の秋野菜です。今回はさつま芋の歴史や栄養についてご紹介します。
さつま芋はどこから伝わった野菜?
さつま芋は中央アメリカやメキシコが原産で、紀元前3000年ごろには栽培されていた歴史のある野菜です。
日本には琉球を経由して薩摩に伝わったものと、フィリピンから直接長崎に伝わったものがあり、痩せた土地でも栽培できるので救荒作物として各地に広がりました。
救荒作物ってなに?稲や麦など普段食べている作物が凶作の時に、代わりに食べるために栽培する作物のこと。天候の異変に強く、荒地でも栽培できるのが特徴です(ヒエ、ソバ、サツマイモ、ジャガイモなど)。
さつま芋の種類
さつま芋は実ではなく根の一部が肥大化したもので、世界には数千種類ありますが日本で栽培されているのは数十種類です(シルクスイート、紅あずま、黄金千貫など)。
紅東/紅あずま(べにあずま)
関東を中心に東日本で多く栽培されている品種で、繊維質が少なめでホクホクした食感で甘味が強いのが特徴です。
鳴門金時/なると金時(なるときんとき)
関西で多く栽培されている品種で、ホクホクした食感で甘味が強く保存性が良いのが特徴です。徳島県の特定の地域で作られたものだけが「なると金時」として売られています。
安納芋(あんのういも)
種子島で作られている品種で、水分が多く粘質性で加熱するとねっとりとした食感になるのが特徴です。また、糖度が非常に高く生の状態で16度前後→加熱すると40度前後にもなるので人気になっています。
さつま芋の栄養
さつま芋には水分が約66%、炭水化物が約30%含まれていてタンパク質や脂質は少なくなっています。
ビタミンC
他の野菜と比べると多くありませんが、芋の中ではビタミンCが多く含まれていてデンプンに包まれて存在しているので加熱しても減りづらいのが特徴です。
食物繊維
食物繊維が芋の中でも最も多く含まれていて、腸の調子を整えて便秘にも効果が期待できます。また、血中コレステロールの抑制作用もあるので生活習慣病の予防にも良いですよ。
さつま芋の色素~カロテンやアントシアニン~
果肉が黄色のさつま芋にはカロテン、紫色だとアントシアニンが豊富に含まれています。
さつま芋の選び方と保存方法
さつま芋を選ぶときは、形が整っていて細くなくしっかり太いものを選びましょう。皮の色艶がいいと美味しいですよ。
さつま芋は低温に弱いので冷蔵庫に入れると腐りやすくなってしまいます。新聞紙に包んで風通しの良い冷温所で保存しましょう。13~15℃が適温です。
さつま芋のお勧めレシピ~洋風大学芋~
さつま芋は60℃まで徐々に加熱するとデンプンがβ‐アミラーゼにより糖化されて甘くなるので、そのまま蒸したり石焼き芋に加工されています。また、アルコールや水飴の製造にも用いられています。
特に皮の下にアクが多いので、切って使うときは少し厚めに皮を剥いて水にさらして変色を防ぐときれいに仕上がりますよ。
《洋風大学芋》
〇材料〇
・さつま芋×中1本(約200g)
・醤油×大匙1(18g)
・砂糖×大匙2+と小匙1(24g)
・みりん×大匙1(18g)
・バター×30g
- さつま芋は洗って泥を落とし、小さめの乱切りにする。
- 切ったら水を張ったボールに入れて、アクを抜く。
- 耐熱容器に入れてラップをかけて電子レンジで柔らかくなるまで加熱する。(8分かけて一度出し、硬かったら2分ずつ追加しましょう)
- 鍋にバターを入れて弱火で溶かし、砂糖と醤油を加える。
〇栄養成分〇
653kcal、タンパク質3.4g、糖質93.7g、食物繊維5.6g、食塩相当量3.4g
ではまた!
『オールフォト食材図鑑』荒川信彦・唯是康彦/社団法人 全国調理師養成施設協会
『食品学ー食品成分と機能性ー』久保田紀久枝・森光康次郎/東京化学同人